甘い感覚を呼ぶ波が、身体の中でゆらゆらと揺れている。 実際溶かされているわけでもないのに、身体が溶かされているような気もし ていた。 織川が与えてくる感覚に囚われて優月は身動きがとれなくなっていく。 「……っ、はっ……、瀬那っ」 臀部に這わされていた指が前に移動してきて、濡れた蕾の回りをぬるぬると 弄っている。 彼の舌も、花芯を舐めたり指で割られた内側をくすぐるように動いていて、 そんな織川の愛撫に恥じらう心がどんなにあっても、抵抗する行為には繋がら なかった。 「そのまま力を抜いていて」 優月の体内に織川の指が入れられる。 ゆっくりと押しすすめられた指は、またゆっくりと引き抜かれる。 それを繰り返すと次第に淫猥な水の音が大きくなっていった。 「……ぁ……や、それ……」 「痛い?」 花芯を舐める行為は止めないままに織川は彼女に聞く。 「痛くない……け、ど……っん」 優月の身体が震える。 彼にこうされるのはまだ二回目だというのに、最初よりもされて感じる感覚 は強くなっていて意識の混濁はより早くやってきていた。 快楽の波にのみ込まれる。 優月がそう感じたとき、頂点までの道のりはあっというまだった。 「やっ……ぁ、あ……」 ひくりと跳ねる彼女の腰を解放し、織川はその蜜にまみれた長い指を舐めな がら起き上がる。 「前よりずっと感じやすくなっているよね」 身体で感じていたとおりのことを織川に指摘され、優月は白い頬を染めた。 「表情も色っぽくてゾクゾクする」 そう言いながら、彼は自分が着ていたものを脱ぎ捨て逞しくもしなやかな肢 体を優月の前に晒した。 織川の体付きにも優月は興奮を煽られる。 自分とは全く違うものだから焦がれるように興奮してしまうのか、細身であ りながらも筋肉のついた胸板や腕や肩、薄く割れた腹は触れたいと思ってしま うほどだった。 「目、やらしい」 「……え?」 「優月が俺を見る目が、やらしいよ」 くくっと彼は笑って言った。 「ご、ごめん……」 「謝ることはないんだけど?」 形の良い唇の口角を少しだけ上げながら織川は優月の服も脱がせ、それが終 わると彼女をそっと抱きしめた。 「……俺が、欲しい?」 囁かれた言葉に、過敏に身体が反応する。 達してもなお満たされず疼く体内の火種が大きくなっていくような感じが優 月はした。 「欲しい……瀬那が、欲しいよ」 「俺を好き?」 「好き」 「愛してくれる?」 「うん……」 「……ずっと、傍にいて。俺がそうだと言ったら、もう本当に“ずっと”なん だよ」 「ずっと、傍にいる、だからずっと傍にいて」 織川はゆっくりと身体を起こし、彼女に口づけた。 「離さないよ」 準備の整った男性器が優月の入り口に当てられると、彼女は息を詰めた。 蜜で溢れたその部分は侵入を心待ちにするようにして疼いている。 先端部が入り込むと優月は思わず声を上げた。 「怖い? でも大丈夫だよ、指とそうは変わらない」 「う、そつき……」 ぶるりと彼女の身体が震えた。 指よりも遥かに太く硬いその塊はひどく熱く、その熱で溶かすようにして内 部を割って侵入してきていた。 引き裂かれる感覚の強さに息を飲み、唇を噛みしめる。 だけど、割られる感覚は痛みには感じず違うものを教えてきていた。 「指と、全然……違うっ」 「痛いか」 押し込まれた分引き抜かれて、その甘い粘膜同士の摩擦に優月は声を上げる。 「あっ……や、ぁ……」 「色っぽい声出さないで、興奮して乱暴にしてしまうよ」 ふっと笑う彼の表情はいつものようには余裕がない感じに見えて、熱を含ん だ艶やかな瞳の輝きに優月は身体を震わせる。 「も……っ、あ……」 先端部だけ挿し込まれている内部が、全部欲しいと疼き誘うように内壁が収 縮した。 「……優月」 再び織川は彼女の蕾に屹立した部分を押し入れる。 蜜で濡れた内壁は彼を喜んで受け入れるように包み込み、織川を圧迫した。 「……っ」 息を漏らしたのは彼のほうで、目を薄く細める。 浅い部分で繋がっている箇所を混ぜ合わせるようにゆっくりと織川は動いて みせた。 「あっ……ぁ、ん」 少しの衝撃でも、彼女の内部は鋭敏に感じ取り大きくうねった。 優月を見つめる織川の瞳が少しだけきつくなる。 彼が何か言いかけ、それにかぶるようにして優月が声を上げる。 「瀬那、もっと……欲しいよっ」 彼女の言葉に織川の唇から甘い吐息が小さく漏らされていた。
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