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LOVEですかッ ACT.28

 深く貫かれる感覚に、優月は堪えきれずに高い声を上げた。
「痛い……か?」
 気遣うような織川の声に彼女は首を振った。
「そう、じゃあ……動くからな」
 ゆっくりと動き始める彼の身体。
  背後から挿れられている感触に優月は身を震わせた。
  まるで獣のようだ。と、思いながらも自分の身体を貪るように貫く男の身体
に興奮もし、その興奮してしまう自分を不思議な思いで感じていた。
「せ、瀬那……」
「好きだよ、優月……好きで好きで、どうしようもない」
 通常時にも彼はそのように言ってくれていたが、こうして抱かれながら言わ
れるのはまた随分とその温度が違うように思えて優月は心が激しく揺さぶられ
た。
 そして身体に感じる感覚も強くなるような気がしてその甘さに声が漏れる。
「瀬那が、好き……あっ……ぁ、だから、ずっと……」
 窓についている優月の手を織川が握った。
「……愛してる、離してもらえるだなんて思うなよ、逃がさないから」
「う、うん……」
 強い感情がそこにあるような気がして、拘束の言葉に優月は安堵を覚えた。
「……窓に、おまえの姿が映ってる」
 小さく笑いながら織川が言う。
  その声につられるようにして顔を上げると、綺麗に磨き上げられている窓に
は、あられもない自分の姿がまるで鏡のように映されていて優月の心臓が跳ね
た。
「あ、や……だ」
「高層階だから、外からは見えないだろうけど……やらしいよねぇ」
 くくっと彼は笑いながらも、貫く動作は止めない。
「や、やっ……瀬那っ」
「……綺麗な身体、それに触れているのが俺なのかと思うと興奮する」
 握っていた手を離し、彼女の胸に移動させると彼はそこをきつく揉んだ。
  腰に添えていたもう片方の手は優月の花芯へと滑らせる。
「あぁ……っン」
「……優月を興奮させると、ナカが凄く……動くよね?」
「動く……とか、わか……んないっ」
「ねぇ? 俺以外とは、もう……こういうこと、しないでね。約束して」
「瀬那以外と、する……とか……む、り……だから」
「うん、じゃあ、本当に全部俺のもの?」
 激しい律動を止めないままに織川は彼女に聞く。
  内壁に与えられる快感と花芯への快感に優月は声を上げ、襲い来る激しい波
に涙を零した。
「ぜ、んぶっ……瀬那のものだから……っ」
 彼の身体の動きに合わせるようにして優月の身体も揺れた。
  貪欲に求め合うように繋がっている部分からは蜜が滴り、淫靡な水音を立た
せていた。
 視覚的にも聴覚的にも興奮させられて立っていることが辛くなる。
  だけど織川は崩れ落ちそうになる彼女の腰を抱え動きを止めなかった。
「ああっ……もう、もう駄目……」
「いきそう?」
 ぬるぬると花芯を弄りながら聞いてくる彼に優月は何度も頷いた。
「いいよ……イって……後でまた、前からでもイかせてあげるから」
「そ、んなに……無理だって……あぁ……っ、瀬那っ」
「……ん、可愛い声……俺も、いきそう……ナカで出してもいい?」
「っふ……瀬、那っ」
 硝子窓ごしに織川を見ると、彼は優月に微笑む。
「俺の子供を産んで」
「……瀬那……」
 優月が小さく頷くと、彼は彼女を強く抱きしめその頬にキスを落とした。
「年が明けたらすぐにでも結婚、するからね? 優月」
「んっ……え? あ、ああっ」
 織川が目的をもった動きに変えると、優月はあっという間に高いところまで
押し上げられた。
「や、あああっ……」
 びくりと跳ねる優月の身体を抱きしめながら激しい抽送を繰り返し、織川は
彼女の体内で熱い飛沫を放出させる。
 最奥まで何度も突き上げられる感覚に優月は甘い啼き声を漏らした。  
  
「瀬那……」
「……足りない」
「えっ?」
「全然足りないよ」
「え、あ……ま、待って」
「待てない。だって全然おさまらないし、優月にも判るだろう?」
 彼女の体内に入ったままの織川の男性器は形を変えることなくそこに存在し
ていた。
「待って、すぐに……そんなにされたら」
「壊れてもいいよ」
 くくっと彼は笑い、再び彼女の中を乱し始めた。
  
  そしてその甘い責めは一晩中、終わることはなかった――――。    
  
   

☆★☆★

「う、ご……けない」  そう言ってベッドでうずくまっている彼女の横で、織川は笑っていた。 「チェックアウトしないで、このまま泊まっても俺は構わないけど?」 「……好き放題されるから、いい」 「チェックアウトしたって俺の家に連れて帰るから、同じことだと思うけどな」  くくっと彼は笑った。 「……瀬那」 「離れていられないし」  天使のような笑顔を彼は見せるものの、優月は眉根を寄せる。 「私だって離れたいとは思わないけど、でも」 「仕方ないよ、誰かさんが我慢を俺に強いたからこんなことになっているのだ し?」  織川はそう言うとにっこりと微笑んだ。 「が、まん……とか」 「まぁ、俺の家に来たときにしていても同じ結果だったとは思うけど」 「……」  優月の恨みがましく見上げてくる視線を受けて彼はまた微笑んだ。 「もうおまえは俺のものだから、どんな我慢も俺はしない」 「ちょっと……」 「結婚式ってどこでやりたいとかリクエストある?」 「……か、考えたことないからリクエストとかもないよ」 「どこでもいいって?」 「……うん」 「このホテルでもいいって感じ?」 「え? こ、ここ?」 「そう」 「う、うん……でも、ホテルのブライダルって高いんじゃ……」 「値段はともかく、不服はある?」 「ないよ」 「ん。じゃあ、ここのブライダル部門に命じて、日程押さえさせないとな」 「え?」 「来年早々、優月のドレス姿が見られるのかと思ったらワクワクするね。大丈 夫、おまえに似合うものを用意させるから」 「せ、瀬那の経営してるホテルって、まさか」  織川は微笑んで寝転んでいる優月の額に口づけた。 「俺を愛してる?」 「う、うん」 「LOVEですか?」 「LOVE……ですけど」 「良かったね。玉の輿」  にっこり笑っている彼の頭の上には王冠が乗っているように優月には見えた。 クリスマス。 恋人達が最も盛り上がるその日。 優月は人生の大きな転換期を迎えることとなった。 −FIN−

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