■■その愛の名を教えて 7■■


AM2時の少し前
私は雪乃さんから貰った白い包みを開いてお水の中にその粉を入れて混ぜた。
飲んでみても、特に味も匂いも無かった。
…小麦粉とか?
私は使ったコップを洗って、コップ立てに置いた。

今日は…ちょっと眠いかも。

ベッドの上にごろんと寝ころぶ。
透也の使っている枕に頭を乗せる。
…透也の匂いがする。
枕元にきちんと畳まれて置いてあるパジャマを広げて抱きしめてみる。
一日着ただけなので、洗濯洗剤の香りだけがふわっと香った。
透也…
彼が抱いてくれなくなってからだいぶ日が経っていた。
透也の体温が恋しくて堪らない。
ぎゅって抱き締めて欲しい。
そして…そして、私の中に入ってきて欲しい。
透也の熱が欲しい。

「ん…んぅ…ん…」
私はころんと寝返りをうつ。
なんだか身体がぽぅっと熱い感じがした。
熱でもある様な感じ。
風邪でもひいちゃった?
私は透也のパジャマを畳むと、布団の中に潜り込んだ。
…熱い
特に身体の芯が。
私は、そっと自分のあの場所に指を滑らせてみる。
ぬるっとした感触が指に伝わる。
どうして濡れちゃっているの?
蕾を弾くと、ぞくんっとした。
「ふ…わ…」
私はパジャマのズボンの中に手を入れて、ショーツ越しに蕾に触れる。
びくんって身体が跳ねてしまうくらいの快感が突き抜けていく。
「ひゃん…」
あそこが凄く熱を持っている。
な…なんだろう?
私は自分の胸にも手を添えた。
ゆっくりと柔らかな力で揉んでみる。
(あ…気持ちイイ…)
自分で自分の身体を慰めなければいけないほど私は欲求不満なのかと思った。
指を、あそこに入れてみる?
そろそろと指を伸ばしかけた時、玄関の扉が開かれる音がして私はびくんっと
した。慌てて手をパジャマのズボンから抜き出す。

透也は一旦リビングに来て鞄をソファーに置くとバスルームへと消えていった。

ど…どきどきしちゃった…。

でも身体の熱は奧のほうでくすぶっているようで、それを私は何とかしたいと
思った。
透也がお風呂に入っている間に、ひとりでしてしまう?
でも、私は自分ひとりではした事がなかったので躊躇われた。
上手に自分を絶頂に導く自信がなかった。
そうしている間にも、身体は悶々としてくる。
あぁ…どうしたらいいの
躊躇っている間に、透也がお風呂から出てきた。
バスローブを羽織った彼はパジャマを取りにベッドの傍に寄ってくる。
私は寝返りをうって彼を見上げた。
「…お、お帰りなさい」
「ああ…まだ起きてたの?」
透也は素っ気なくそう言うと、パジャマを取りあげた。
ぐるぐるぐるぐる
透也を見た瞬間私の中にあるものが激しく欲情をした。
全身がゾクゾクする。
「と…透也ぁ…」
私は彼のバスローブの紐を引っ張り、しゅるんと解いた。
「みのり?」
私は、透也のボクサーパンツをずり降ろして顔を出した彼のそれを口に銜えた。
くちゅくちゅくちゅ
舌を動かしてそれを愛撫すると、それはあっと言う間に大きくなった。
彼の肉茎に私は舌を滑らせる。
それから先端部のくぼみをちろちろと舌で舐めた。
私は彼の腰を抱えると、それを喉の奧まで迎え入れる。
きゅきゅっと吸い上げてみた。
透也は私の行為に何も言わず、私を見下ろしている。
しばらく続けて、それから透也の手が私の顎をくすぐった。
「…欲しいの?」
掠れた様な彼の声に私は頷いた。
私は透也の身体をベッドに押し倒し、彼に馬乗りになった。
パジャマのズボンと下着を脱いで、透也の勃ち上がったそこに自分のくぼみを
押しつけた。
ずるっ
透也の身体が奧まで入ってくる。
私は高い声を上げた。
「んはぅん!」
「…君の中、ぐちゅぐちゅだね…」
「透也ぁ…」
私は快楽の虜になって、我を忘れてしまうぐらい腰を振った。
「あはぁ…はぁ…はぁ…ああ…はぁん…」
奧に、透也が…透也の先端部が私の子宮口をつついている様な感じがした。
「あっあっあっあっ…あふぅんっ」
私は頭を下げて、透也の白い肌に唇を滑らせた。
「透也…透也ぁ…」
彼の小さな頂を、ちゅっと吸い上げる。
ぴんっとそこが立ち上がった。
「あ…ふ…は…」
れろれろとそこを舐めると、透也がフッと甘く息を漏らす。
「あー…ン…と…や…透也ぁ…」
「…」
ぐるん
体位を入れ替えられて私が下になった。
「透也…透也…して…してぇ…」
私はぎゅうっと透也に抱きついた。
「…みのり」
「私のぐちゅぐちゅになっている所に透也のを入れてぇ…」
「君、また飲んだの?」
「…飲んでないよぉ…」
「…確かに…アルコールの香りは、しないけど…」
「透也…入れて…もっと奧まで欲しいの…」
「…みのり…」
「してぇ…して…」
ずちゅずちゅっと透也が私の中を出入りする。
「ああんっ…気持ちイイ…イイよぉ…透也の、凄く良いのぉ…」
「…そんなに僕が欲しかったの?」
「欲しかったよぉ…あっ…あふぅん…」
「みの…り」
「もっとして、もっとしてぇ」
私はぎゅううっと身体に力を入れた。
膣内が締まって透也をより強く感じる。
「もっと私を滅茶苦茶にしてっ」
透也が私の足を高く持ち上げて腰を振るう。
ずんずんって奧まで透也が来る。
「あはぁん…はぁ…はぁっ…ううン!」
腰が熱くなってくる
欲しい快感がすぐ目の前にあった。
私は透也の腰の動きに合わせるように、或いは逆らうように乱して腰を振った。
「あんあんあんっイク…イク…ああっ」
「…良いよ、イって」
「気持ちイイ…気持ちイイよぉ…透也の、凄いの…あああんっ」
透也が激しく腰を使う。
内壁が透也と擦れ合って悦びの悲鳴を上げていた。
「透也…とぉや…私の…事…好き?ねぇ…好き?」
「…はっ…好き…だよ」
「わた…し…透也の事…大好きなの…愛してるのぉ…」
「ふっ…はぁ…みのり…」
「愛してる…愛してる…透也ぁっ」
「僕…だって…」
「んくっ…うふぁん…」
「愛しているよ…」
「透也、透也、透也ぁ…あっ…あふぅん…愛してるぅ…」
「みのり…愛してる」
「私、私…変なの、変な子なの…それでも…愛してくれる?」
「…え?」
「愛してるって、言ってぇ…」
「…愛しているよ?」
「と…や…」
つま先が指先が、先端部から痺れを感じる、それが全身にぱんっと広がって弾
けた。
「ああああああぅ…透也ぁっ!!」
ふわんっと身体が浮き上がるような、本当に高い所に連れて行かれてそこから
すとんと落ちるようなジェットコースターか何かの様な恐怖にも似た快感が私
の中を突き抜けていった。
「あ…あふ…ぅ…」
私の口からは、だらしなく唾液の露が零れて落ちた。
透也がそれを舌で掬い取った。
「…どうしたの?今日…凄く感じちゃっているみたいだね?」
判んないよ…自分がどうしてこんなになっちゃってるかなんて…
ただ身体が熱くて堪らなくて、まだ体内で硬くなってる透也に感じちゃってる
なんて…
「久し振りだから?」
「わか…ない…」
「もっと、抱いても良い?」
「良いよぉ…もっとして…透也ので私のあそこをくちゅくちゅして」
「…エロ過ぎるよ?君…」
透也はフッと笑うと動き始めた。
「私の身体の中で、透也のせーえきいっぱい出して…」
「…あぁ」
内壁いっぱいに透也の重圧を感じる。
ずしんずしんって凄い存在感で私を突き上げてる。
透也にもいっぱいいっぱい気持ち良くなって欲しい。
私は身体を揺すった。
「透也ぁ…私のココ気持ちイイ?」
「ああ、気持ちイイよ」
「何番目?透也が抱いた女の人の中で何番目にイイ?」
「…君が…一番に…決まってる」
「私が一番イイの?」
「はっ…一番だよ…」
「透也ぁ…」
私達は口付けを交わす、深い深いキス
「ほんとに一番?」
「おまえ以上の女なんて僕は知らない…」
”おまえ”透也がそんな風に私を呼ぶのは初めてだ。
なんだか官能を刺激させられる。
頭がぽわぽわする
ああ…気持ちイイ…気持ちイイ…意識がどこかに飛んで行っちゃいそう。
「透也…」
私は透也の足に自分の足を絡みつかせる。
もっとくっつきたい。
ベッドのスプリングがギシギシと音を立てた。
「んはぁん!」
透也のあれが私の最奧をくすぐる。
私のあそこはきゅうきゅうと透也を締め付けていた。
ああ、本当に透也のは気持ちがイイ。
くちゅくちゅくちゅっ
透也が激しく私の中を出し入れさせるので私の膣から液体が溢れ出る。
多分、シーツにシミを作っていると思う。
それぐらい今日の私は濡れている。
お尻の辺りがぐっしょりしていた。
「あふぅ…あんあん…ああっ…透也!」
「もう一回イケる?」
「イクイク…イちゃうぅん…」
「もっと、イクって言って…」
「イクの…私、イっちゃうのぉ…透也ので、イかされちゃうのぉ…」
「…本当に、今日の君は、やらしいね…」
「はんっはっ…ああっ…ああ…あん…あん…あああっ透也っイイよぉっ」
「イって…僕も、もう出る…ああ…出る…出る…」
「いっぱい出して…私でイって!気持ち良くなってっ」
「みの…りっ」
「くふぅん!ああ…透也ぁ…大好きっ愛してる!」
「クッ…あっ…あぁっ…最高…堪らねぇ…っ!」
「ああああっ!!」
透也のが身体の中でびくんってした。
ああ…透也が出した…私の中で…サイコーだって…
ああん…ああん…透也…透也…
「透也、大好き、大好きっ」
「…好き、だよ…」
乱れた息の下で透也が応えてくれる。
「透也…透也…」
私は彼の腕に縋った。
「本当に好きなの…愛してるの…透也ぁ」
「…うん…うん…」
「透也…透也…」
「…みのり…」
「うっふ…ぅ…」
透也の肌に私は唇を滑らした。
「あぁ…透也…」
「…」
「透也…透也…」
「…みのり」
透也は私を抱いて頬を撫でる。
「僕は、どんな時だって…君が好きだよ」
「透也…」
「信じて…」
「私を愛してる?」
「愛しているよ」
透也が身体を退いて私の中から出ていく。
こぷっと音がして液体がとろりと流れた。
「…ああ…凄い事になっちゃっているな」
透也は私のソコを見つめながらそう言った。
「君の体液と僕の体液でシーツがべちゃべちゃだ。取り替えよう」
「…今日はもうしないの?」
「え?まだする気なの?」
「もっとしたい」
「君からそんな風に求めてくるなんて珍しいね」

******

『で、どうだった?』
次の日の昼休みの時間、私はまた同じ様に雪乃さんに電話をしていた。
「えと…その…」
『セックス、したでしょ?』
「はい…」
『何回位トライした?』
「そのぅ…三回」
『君も彼も若いねぇ』
そう言って雪乃さんは笑った。
「あの…昨日貰った粉ってなんだったんですか?」
『気持ちをやらしくさせる淫靡薬』
「えっ…」
『仲直りするにはセックスが一番でしょ』
「うー…それは…そうですけど…」
『カミングアウトは出来た?』
「それは…なんというか…一応…変な私でも好き?とは聞いてみましたけど」
『そんな言い方じゃ、好きと答えるしかないよね』
ふふっと雪乃さんは言う。
「…でも、尋常じゃない乱れ方をしたんでソッチの方が恥ずかしいです…」
『でも、彼は嫌がらなかったでしょう?』
「…表面的には」
『表面的にはって、一晩で三回もやってりゃあ、嫌がるどころか喜んだって事
なんじゃないの?』
雪乃さんはプッと笑った。
『俺なら二回でギブアップだね』
「…はぁ…」
『また欲しくなったら言ってよ。あげるから』
「え?」
『淫靡薬』
「…も、もう結構です」
『遠慮しなくていいのに』
「恥ずかしいんです。私、色んな事言っちゃったから…」
『へーえ、君の可愛い口からどんなやらしい言葉が出たのかな?気になるね』
「か…からかわないで下さい」
『…君は本当に可愛いから、自信を持って良いと思うよ?多少のMっ気がある
位、チャームポイントにしかならないよ』
「…はぁ…」
『彼氏さんと仲良くね、それじゃあ切るよ』
「あ、はい、すみませんでしたお時間とらせてしまって」
『じゃ、またね』
そう言って雪乃さんは電話を切った。

…淫靡薬

私は頭を抱えて、はぁと溜息をついた。
透也にあんな事言って…訳判らない位、変な事ばかり言った昨晩の私を思い出
して顔から火が出る思いだった。
ああ…もう…恥ずかしいっ…
絶対変な奴って思われてる。
だって昨日の透也っていつもに比べて口数が少なかった。
私はスプーンを噛んだ。

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