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隷属の寵愛 10


「ふ……っ、ぅ……」
 シルクの白い夜着の前は開かれて、肌がキースの視線にさらされる。
 自分の胸の膨らみやその先端部を、彼に見られていると思うだけで、羞恥に頬が赤く染まり、身体が震えた。
「可愛いね。食べてしまいたくなる」
 キースは妖艶に微笑むと、リディアの淡い色をした乳首を口に含み、ゆっくりと内部で硬く立ち上がった部分を舌で転がし始めた。
 背筋がぞっとする感覚は強くなり、全身の力が抜けていく。身体の力は抜けていくのに内側はひくりひくりと蠢いて、やたらと主張しはじめる。
 そこが女性器であり、男性器を受け入れる場所だと感じた。
 初夜のときに、男性器を挿れられるから痛いのだとマリベルが言っていたが、どうしてだろう、痛くされたいわけではないのに堪らなくそこに彼を受け入れたいと考えてしまう。
「……キース様……っ」
 彼が彼女の身体を愛撫するほどに内部が疼き、痛くても構わないからその疼いている場所をどうにかして欲しいと思う。
 急き立てられる感覚に、心臓が激しく跳ねる。
 焦燥感にかられ、どうにかなってしまいそうだった。
「お願い……です」
「……まだ、駄目だよ」
 何が駄目だと言うのだろうか。
 願い方が足りないのだろうか。
 もっと求めるような言葉を言わなければいけないのだろうかと彼女は考えたが、男女の営みの一連の流れはマリベルから学んだが、最中にどうすればよいかといったことまでは彼女は教えてはくれなかった。
「……欲しいんです」
 サファイヤブルーの宝石のような瞳に涙を浮かべながらリディアが言うと、キースは微笑む。
「おまえは、本当に可愛いね」
 まだ穿いたままの彼女のドロワーズを脱がしながら彼は告げた。
 胸元を開かれたとき以上の羞恥に心臓が激しく音を立て、大きな羞恥心から足を閉じようとするとキースは彼女の膝に口付ける。
「閉じないで、開いて見せて」
 彼の言葉に思わず首を振ってしまう。
「嫌です……恥ずかしい……」
「恥ずかしがっているおまえも、可愛らしくて欲情させられるね」
「よ、欲情?」
「挿れたくて、堪らなくなるって言っているんだよ」
 そうであるなら、自分も彼に欲情させられている。
 彼に煽られて染まった頬を隠すように手で顔を覆った。
 見られていることも、キースの強い視線も恥ずかしくて堪らない。だけど恥ずかしいと思えば思うほど、身体が熱くなり全身が火照る。
 おさまらない熱を、どうにかして欲しい。
 この熱は、痛みと引き替えにしなければ相殺されないのだろうか。
 けれども、この疼くような熱が続くくらいなら、痛みを与えられても構わないと思えた。
「足を開いて、リディア」
「む、り……です」
「だったら、力を抜いて」
 彼の言うとおりにすると、すんなりとキースの手によって足は開かれる。
 視線がその部分に落とされると、彼女は身体の震えを強くさせた。
 彼はそんなリディアの様子を気にすることなく、閉ざされている蕾を指で開く。
「キース……さま……っ」
「温かいね。むしろ、熱いくらい」
 指先で秘裂を撫でられただけで、その部分の温度が上がったような気がした。
「さわら……ないで、いや……です」
 ざわざわとした感じが強くなり、欲求も強まっていく。
 不快だと思うことはなかったけれど、そこに触れられると気が変になってしまいそうでリディアは何度も首を振る。
「駄目だよ、もっと濡らさないと」
 キースはうっすらと笑んだ。

 

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