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隷属の寵愛 13

「おまえは本当に、綺麗だね」
 リディアの身体を拭きながらそんなことを言うキースに、彼女は居心地の悪さを感じる。
「わ、私は……その」
「愛しているよ、リディア」
 ふいに落ちてくる唇。
 慣れていない感覚の甘さに、身体の力が抜けていく。
 ふらつく身体をささえるようにキースの腕が腰に回されて、その感触にリディアは思わず甘えるような声を出してしまった。
「ん……ぁ、キース……様」
 彼に触れられると意識がどこかへ飛んでいってしまいそうになる。
 自分の身体はいったいどうなってしまったのだろうか。そう感じながらもやはり焦燥感に駆られた。
 何故か判らないけれど、一刻も早く彼を知りたい、繋がりたいという感情に揺るがされる。
 潤んだ瞳でキースを見上げると、彼は熱い眼差しを向けてきた。
「おまえは誘い上手だね」
 くくっと揶揄するように笑ってから、リディアの乳房をゆったりと揉み始めた。
 自分で触れてもさほどの感覚は生まれないのに、彼が触れると何故こうも全身に火がつけられたように熱くなってしまうのだろう。
「もっと触れられたいか?」
 彼以外の感触は知らなかったが、キースの皮膚の質感や温度は心地よく、容易に彼女を溺れさせる。
 少しでも触れられてしまえば、もっと触れて欲しいと思うようになり、欲しい気持ちは狂気的で、満たされなければ気が済まないと感じるほどだった。
「……キース様……わ、たし」
 恥じらいながら告げる彼女にキースは微笑んだ。
「いいよ、言いなさい」
「触れられたい……です」
 キースは羞恥に染まったリディアの頬に指を滑らせる。その指はそのまま彼女の身体を確かめるように動き、やがては腹部から薄い繁み、そしてそこに隠されている花芯を暴くように撫であげた。
 リディアの身体は、微弱な電気が流されたように頭頂部からつま先までが痺れる。
 ゆるゆると奥に潜む蕾にまで指を這わされてしまえば、立っていることすらかなわなくなったが、崩れ落ちそうになる彼女の身体をキースが支えた。
「ちゃんと立っていてくれないと、触れないよ?」
「意地悪を、言わないでください」
「私は意地悪など言っていないのだけどね」
 リディアはバスルームの壁に身体を押しつけられ、片足を持ち上げられた。
 無防備になった蕾の入り口に、キースは指を滑らせる。
「……あ、ン……っ」
「もう熱くなっているね、それに美味しそうに濡れている」
 つぷりと内部に指を挿入し、二度、三度と擦ってから引き出し、彼女の蜜で濡れた指を見せつけた。
「ほら、リディア……もう、こんなに」
 くくっと彼は楽しそうに笑うと、濡れた指を舐める。
 そんな官能的な様子に眩暈がし、よりいっそう欲しいと思う気持ちが強くなる。
「……キース様、も」
 彼が着ているフロックコートに手を伸ばすと、彼は笑った。
「私を脱がせてどうするつもり?」
「触れたいんです」
 情欲に濡れた瞳がリディアを見下ろしてくる。
 キースの美しいヘイゼルグリーンの瞳が今は色濃くなったように見えてしまい、煽られた。
 すぐにでも彼に口付けたい。瞼や頬や唇。さまざまな場所に彼女は口付けたいと思っていた。
 

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