「おまえが挿れて欲しいと思う気持ちに、愛は含まれていないのだろう? だったら私がおまえを愛していないから抱かないというのはおかしくはないか」 「え?」 「私を愛しているから、挿れて欲しい……とは思っていないのだろう?」 「……私がキース様を愛していると思っていれば、抱いてくれるという意味ですか?」 「そうだね」 ふいにキースは彼女の肩に触れる。 「愛しているから、触れたくなるんだよ……私は」 彼の言葉や眼差しに、身体が震え、心も震えた。 熱くなる感情の正体が愛であるのかそうでないのか彼女には判らず、潤わされる感覚に全身が支配されていく。 「で、でも、愛される理由が判りません」 「愛することに理由なんて必要か?」 夜着の肩を落とされて、むき出しになった皮膚に口付けられる。 くすぐったいと感じた次の瞬間には舌を這わされて、身体に火がつけられた。 「リディア、私はおまえを愛しているんだよ」 「で、でも……っあ」 大きく足を開かされ、その間に彼の身体が割り込まれてくる。 潤いのある蜜源に、布越しにでも屹立した部分を擦りつけられれば、淫らな声が出てしまう。 「キース……様」 「私は挿れたくないだなんて、思ってないよ……リディア、判るか?」 硬く立ち上がった男性器が何度も蜜源に擦りつけられて、ほんの僅かな摩擦でも、彼女には震え上がるような快感が与えられた。 「……ん、ふ……わ、私……」 欲しくなる。 全身がざわつき、彼を欲した。 生地の上から乳首をこねられてしまえば、内部が求めるようにうねり出す。 「欲しいか?」 濡れたような甘い声色にも酔わされる。 キースの姿や声は彼女をどこまでも魅了し、そして指や舌で誘惑する。 「……もう、こんなに濡れているね」 下着を脱がされ、直接蕾に触れながら彼が言う。 ゆっくりと指を内部に挿れられて抜き差しされれば、くちゅくちゅと淫猥な音がそこから響いた。そんなリディアの身体の反応を、彼は楽しんでいるようにもみえて辛くなる。 「嫌……」 「私には触れられたくない?」 ずずっと奥まで指を挿れ、上部を撫でるような動きをされると堪らない気持ちにさせられた。 「あぁ……や、あ……」 「どうなの? リディア」 「さ、触られたい……です……」 「触られたいだけか?」 花芯を撫で上げられ、リディアは仰け反った。 自分はいったい何度彼を望めば、願いは叶えられるのだろうかと思いながらも彼女は言葉にする。 「挿れて欲しいです」 「どうして?」 ひくりと身体が震えた。 どういうふうに言えばいいかの道筋は、さきほど彼が示したような気がした。だから、涙の滲んだ瞳でキースを見上げる。 「愛して……いるから、です」 「いい子だね。嘘でも嬉しいよ」 彼は夜着を脱ぎ、猛々しく立ち上がっている男性器を彼女に見せた。 怯む気持ちは生まれたが、それに気づかれてはまた抱いて貰えないと危惧したリディアは、キースに腕を伸ばし抱擁をねだった。