――あなたは、私の騎士です。 ふいに脳裏に浮かび上がるスクリーン。 見たことのない場面。 剣を持った女性が、跪いている男性に向かってそんなことを言っていた。 ゆっくりと彼の肩に剣のみねを置く。 ――永遠の忠誠を誓いなさい。 駄目だ、誓わせては駄目。 永遠という言葉を、そんなに容易く言っては駄目だ。 「や、駄目……っ」 「リディア……もう、ずっと……」 「駄目なの……誓わないで」 「……何を?」 キースはふっと妖艶に笑った。 意識が混濁していると判っている。 だけど、どちらにも意識を切り替えられない。 目の前にキースはいるのに、いないように感じられておそろしくなるが、いっそ突き放してしまったほうがいいとも思ってしまう。 「リディア"永遠"だよ」 深い場所で溶けて混ざり合う。 あまりの熱さに身体全部を彼に奪われているように感じた。 「嫌、駄目なの」 「私を遠ざけようとするなら、もう抱いてあげないよ?」 意地悪く微笑んでから、キースはリディアの腰を掴み、容赦なく最奥まで突き上げた。 「やっ、あ……ああぁっ」 痛みの中に混ざる愉悦。苦しくて堪らないのに欲しくなる。 「やだ、嫌だ……」 「……本当の気持ちを言いなさい。でなければ、私だって優しくしてあげられないよ」 ぬちゅぬちゅと、内部をかき混ぜ水音が立つ。 淫猥な音に、彼に抱かれているという意識が、混濁とした中にもはっきりと植え付けられる。 「あ、あぁっ」 近づいてくる大きな快楽の波に、リディアは仰け反った。 「リディア……」 「や……っ」 抗えない感情、そして快楽があるような気がした。 「愛していると……言え、リディア」 「あ、愛して……ます」 「誰を?」 「キース様を」 内部におさめられていた彼の固体が膨らみ、その硬さや大きさにリディアの身体がわなないた。 「あっ、あ……」 揺さぶられれば揺さぶられるほど、濡襞は塊に纏わり付くようにして動き、陰茎を奥までのみこもうとする。 「……っ、リディア」 「あぁ……」 彼が好きだ。 そう思うと涙の量が増える。 溢れそうになる快楽と感情に翻弄され、彼がリディアの内部で熱い飛沫を吐き出したとき、彼女も快楽の頂点を知らされた。 「あ……あぁぁっ」 どくんどくんと弾けるような陰茎の動きにも甘い快感を知らされて、リディアは身体を跳ねさせる。 「や、あ……ン」 「……全部、ちゃんと受け止めて」 ふっとキースは微笑み、繋がりが解けないように彼女の身体を強く抱きしめた。 「キース……さ、ま」 「おまえがどんなふうに考えていようと、私はおまえから離れない。それは"永遠"だ」 永遠。 甘美な言葉だったが、リディアは胸の痛みを覚えていた。