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恋にならない ACT.4

 
 欲しいと思った身体がそこにあり、例えばそれが雨の日だけでも自分の自由
になる。
 それはなんて甘い誘惑なのだろう。ふいに落ちてきた赤い林檎の実。それが
禁断の果実だと判っていても、どうしてそれをかじらずにいられる?? 
 誘惑に打ち勝てるほどの強さなどなく、半端なモラルが今は邪魔だとさえみ
なみは思えた。
「私はどうすればいいの? そんなに上手じゃないよ?」
「上手いとか下手とかどうでもいいんですよ、ただ、俺を包んでくれれば」
 彼の手が、みなみの胸に触れる。
  初めは優しく触れていたのを、徐々に強いものに変えていく。
「……っん」
 みなみが甘い声を漏らすと、屹立した場所が声に合わせるようにして震える。
「手を離さないで」
 絢樹の愛撫の強さに思わずその場所から手が外れると、彼はそう言った。
「ふ……じ、君」
「絢樹って呼んで下さい」
 耳元で小さく囁かれ、その声音の甘さにみなみはぞくりとした。彼が何か言
うだけでも彼女の体内が潤いに満ちてくる感じがしていた。
「絢、樹」
「うん……みなみさんに名前で呼ばれるだけでいきそうになります」
 みなみの指は絢樹の体液で濡らされている。
「出しても、いいよ?」
「出してくれるんですか?」
「う、うん」
「じゃあ、もう少しだけ強く握って下さい」
「……こ、う?」
 先程よりもきつく握ると固体が膨らんだ。
 張り詰めたように屹立した男性器にみなみは息を飲む。
 彼の手が添えられたままの手を彼女は上下に擦ってみると、絢樹が甘い声を
僅かに漏らした。
 いけない事をしている。
 そんな感覚が頭をもたげたけれど、やめたいとは思えなかった。
「ん、みなみ……さん、凄く上手いよ」
「……気持ちいい?」
「うん、凄くいいです」
 彼は片手ではみなみの胸に触れている。その触り方は大胆になっていき、彼
女が着ているカットソーの中に手を滑らせた。
「んっ!」
「ここ、立ってますね。判りますか?」
 下着の上からこりこりと乳首を指で転がしながら絢樹は言った。
「胸を揉まれるのが好きなんですか?」
 ひくり、と彼の固体が彼女の手の中で震えた。
 そんな絢樹の身体の反応にも、そして彼に与えられる快楽にもみなみはひど
く興奮させられた。
「す……き、だから、もっとして」
 彼女の言葉に絢樹は小さく笑った。
「えっちな事が好きなんですか? やりたいんですか? 俺としたいですか?」
 彼の言葉に身体が反応するようにぞくぞくっと震えた。言葉だけで震えるほ
ど感じてしまうのはみなみは初めてだった。
「……したい、絢樹としたい」
「何をしたいと思っているんですか? 今あなたが握っているそれをみなみさ
んの中に挿れてもいいって、そう解釈していいんですか?」
 そう言いながら、彼の手はみなみのスカートの中に入ってきた。
「紐の下着ってえっちですね。脱がすのにも都合いいですし……」
 みなみが着けている下着の紐をするりと彼が解くと、あっけなくそれは床に
落ちていった。落とされた下着が濡れている様子を彼が笑った。
「もう濡れちゃっているみたいですね?」
 絢樹の指が彼女の下腹部の裂け目をぬるりと往復した。彼の指の感覚に身体
が鋭敏に反応する。
「あ、あっ」
「こんなに濡らしちゃうなんて、俺が思っていたよりあなたってやらしいんで
すね」
「だって、絢樹っ、が」
「俺がなんですか? 俺はまだ何もしてないですよね? 胸を触っていただけ
で、それでこんなにぐしょぐしょにしちゃうなんて、あなたってどれだけえっ
ちな事が好きなんですか」
 そんなふうに言いながらも絢樹は寧ろ嬉しそうに笑っていた。
「絢樹、お願い」
「なんですか」
「こ、れ……挿れて」
 みなみは男性器を握る手を僅かに強めて懇願した。
「どこに挿れて欲しいんですか……ちゃんと言って下さい」
 彼に肩を押され、みなみの身体が壁に押し付けられた。
「なか、に」
 彼女の言葉に絢樹は笑った。
 


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