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恋にならない ACT.5

 
「片足上げて下さい、出来ますか?」
 言われた通りにみなみが足を上げる仕種を見せると、絢樹はその足を掴み上
げ自分の身体が彼女の中心に当たるように動かした。
 屹立している部分が僅かに体内への入口に当たっていて、みなみの興奮は最
高潮に達した。
 それでも絢樹はぬるぬるとその部分を自身の男性器で擦るだけで中まで入れ
ようとはしない。
「上手く挿れられない……みなみさん、自分で俺を挿れてもらえませんか」
 僅かに身体を押せば入るぐらいの状態であるのに彼はそんなふうに言った。
 何かの意図があるのだろうとみなみは感じながらも、もう何かをあれこれと
考える余裕など微塵もなかった。
 絢樹の男性器に手を添えて、自分のぬかるんだ場所へと導いていく。
 ずるり、と呆気ないほどに彼の身体がみなみの体内へと挿入された。その固
体の熱さと硬さに彼女の内壁が喜びで震えた。
「あ、ああっ」
「みなみさん、凄くやらしい」
 一度奥までゆっくりと身体を進めてから、絢樹は身体をひく。
「ああ……繋がってるの、見て? エロくて滅茶苦茶興奮します」
 抜けない程度までぎりぎり身体を引いて彼は自分と彼女が繋がっている様子
をみなみに見せた。
「一度挿れて抜いただけなのに、俺のがみなみさんの体液でぐちょぐちょに濡
らされちゃってる」
 凶暴とも思える形に姿を変えているその部分が自分の身体に挿し込まれてい
る現実を目で見て意識すると、みなみの身体は更に高まった。
「ね? やらしいですよね」
 彼女の返事を待たないまま、絢樹は自身のそれをまたみなみの体内に押し込
んだ。
 内壁と固体が触れ合う事で生まれる甘い快感に彼女は嬌声を上げた。
「絢樹、絢樹っ」
「こんなに悦んでくれるなんて思ってなかったですよ、みなみさん」
 ふふっと彼は笑って、それから身体をゆっくりと動かし始めた。
 立ったままでの行為は不安定な感じがしたが、こんな風に絢樹を受け入れて
いるということにもみなみは感じてしまう。
「んっ、う……あぁン」
 男性器の先端が、彼女の弱い部分を探り当てる。
「いっ、やぁ」
「奥がいい人なんですか? それともクリが俺の身体に当たってるのがイイん
ですか?」
 彼の言葉に自分の硬くなった部分が絢樹の身体で擦られているという事を自
覚させられる。
「あ……ぁ」
 快楽で震えるみなみの唇に絢樹が唇を重ね合わせてくる。差し込まれてくる
舌に応じるようにして彼女は自分の舌を絡ませた。艶かしく絡み合う生暖かい
器官は別の生物のようにも思えた。
「みなみ、さん」
 みなみの身体がぶるりと震えた。
「ああっ……絢樹」
「……あなたって想像以上に素敵だ。やらしくて、えっちな事に貪欲で」
 くすっと彼は笑った。
「いつも……こんな、んじゃない……」
「そうなんですか?」
 律動を止めないまま絢樹はみなみに訊く。
「カレじゃない人とするとか……ない、から」
「そんなの俺は責めたりしてないですからね? あなたがどんなでも、俺を可
愛がってくれればそれでいいのだから」
 甘えるように瞳を瞬かせて絢樹が言った。
「あなたが俺をちゃんと可愛がってくれるって約束してくれるなら……俺、も
う誰ともしない……」
 自らを拘束するような言葉を彼は吐き、みなみに縋る。

 絢樹を束縛出来る。

 その甘い誘惑にみなみの心が震えた。
  
「本当に、私だけって誓えるの?」
「誓えますよ」
 絢樹は、はっきりと告げた。
 その誓いが真実か否かは判断できない。だけどみなみの心に彼の言葉は甘く
染み込んで来る。

「……じゃあ、可愛がってあげる」

 繋ぎ合った部分がいっそう熱くなった。溶かし溶かされているような感覚、
甘くて激しい快感に酔わされ乱された。 
 激しく内部を欲望の象徴でかき乱され嬌声を上げる現状で、一体どちらが
“可愛がられている”のか判らなかった。
「あぁっ、絢樹」
「……っ、ん……みなみさん、いき……そ」
「私もっ」
 打ち込まれる固体と彼と触れ合う刺激に震える陰核が、快感を助長させてい
た。
 淫らに腰を振る事も止められない。
 まるで狂った獣のように互いの性器を擦り合わせ高め合い、快感を貪った。
「絢樹、絢樹っ……もう駄目っ」
「……っは、イッて、みなみさんっ」
 みなみの体内からは潤滑の役割を果たす蜜が溢れ、ぐちゅりと淫靡な水音が
響いていた。
 男性器の先端は体内の最も感じやすい場所を何度も擦り、突き上げる。
「やっ、ぁ、あ……いっ」
「みなみさん、あぁっ、気持ち良い……堪らない……」
「わ、たしも……あぁ、絢樹っ、んン!!」
 びくりと大きくみなみが身体を震わせた直後、絢樹は彼女の体内から男性器
を引きずり出し、熱い白濁色の飛沫を吐き出した。



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