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LOVEですかッ ACT.16


 ベッドが置いてある部屋に戻ってきて、優月はその上におろされる。
  織川がナイトテーブルの上に置かれているシーリングライトのリモコンに手
を伸ばし、部屋の灯りを落とした。
  
「じっとしていてね」
 小さく彼は言ってから優月の足もとに身体を置き、彼女の足の甲へ短く口づ
けた。
 バスルームの続きが始まるのかと優月は息をこらした。
 甲への短い口づけの後、彼はつま先へと唇を移動させ足の指をちろりと舐め
る。
 温かく、そして濡れた舌先がもたらす感覚に彼女は震えた。
「……っ」
 織川の口腔内に含まれた優月の足の指に舌が這わされる。
  普段それと意識していない場所であるのに官能をくすぐられた。
  彼女の体内が、指で刺激をされていたときと同じように潤い始める。
  湯の中とは違い、その身体の変化を強く意識させられ優月は頬を熱くさせた。
「それ、や……だ」
「気持ち良くない?」
 彼の問いかけに彼女が黙ると、織川は小さく笑った。
「ああ、それとも、違う場所に触れられたいとか?」
 柔らかな声であるのに、そこには意地悪い色が浮かび上がっているように感
じられ優月は首を振った。
「そんなに急かさなくても大丈夫だよ、時間はたっぷりとあるのだし」
 そう言いながらも彼は足の指を一本ずつ丁寧に舐め、くるぶしに舌を這わせ
た。     
 くすぐったいと感じる時間は一瞬で、それを過ぎてしまえば甘い感覚しか残
らず、与えられている官能的な感触に優月は小さく息を漏らした。
 そもそもが足を舐められること自体も彼女にとっては想定外だった。
  セックスという行為の経験がなくても大体の流れのようなものは優月も想像
はできる。
  想像ぐらいはできていたが織川が与えてくる愛撫は想定の範囲外で戸惑いが
大きくまた、そのような場所でも身体が震えてしまうぐらいに良いと感じてし
まうものなのかと彼女は乱される意識の中で思っていた。
  ふくらはぎから膝へ。
  そして膝裏へと舌を這わされる。
  膝裏へと与えられた感覚に皮膚の薄い場所のせいか身体が思わず跳ねてしま
う。
「ココも気持ちがいい?」
 くくっと彼は笑った。
  織川は試しているのか、それとも承知の上でその部位に愛撫を与えてきてい
るのかが優月には判らず漏れそうになる声を押し殺した。  
 内腿への口での愛撫も同様に、優月は敏感に感じてしまう。
  舐められたり、甘噛みされるとぞくりと身体が震えた。
  優月がほとんど抵抗する間もなく織川の唇は彼女の蜜を溢れさせる場所へと
到達した。
「んっ……ぅ、や……そこっ」
 興奮に膨らんだ花芯に彼の舌先が触れると、その大きな快感に優月は声を漏
らさずにはいられなくなる。 
 指で弄られていたときとは質の異なる感覚。
  柔らかな感触であるのにそれが逆に気持ち良いと感じてしまう。
  そしてその場所を舐められていると判っていても抵抗が出来なくなるぐらい
の甘い快感に意識が絡め取られていく。
 甘い感覚は切なさとも似ていて、涙が優月の瞳に滲んだ。
「瀬那……」
「好きだよ、優月」
 ひくりと身体が震えた。
  初めて言われたわけでもないのに、その言葉にどうしようもなくなるぐらい
に彼女は胸が痛んで堪らなくなった。
「……瀬、那」
「ん……呼ばれるだけでも興奮する」
 そう言って彼は舌と唇で丹念に彼女の部位を舐めながらも、蜜を溢れさせて
いる蕾に指を挿し込んだ。
「あっ……ン」
「さっきよりも熱く感じる」
 ゆっくりと指を出し入れすると、淫猥な水音が響いた。 
 織川の長い指は優月の体液で濡らされて、とろりと蜜が絡みつく様子は彼の
視覚的興奮を煽った。
「痛かったら言って、そうじゃないなら声を出しなよ?」
「……いじ、わる」
「何が?」
「瀬那は……判ってる、くせに」
 彼女が言葉を発している間も、織川は指の抽送は止めない。
  乱れる優月の息や声を楽しむように。
「判らないよ、優月にこういうことをするのは初めてなんだし」
「んっ……ぁ」
 花芯をちゅっと小さく吸い上げられ、彼女の身体が大きく跳ねる。
  何かをされる度に優月の身体は敏感に反応してみせ、彼女自身、自分の身体
が自分のものでないような感覚に陥っていた。
  予測することが出来ない身体の反応に優月の意識がますます乱されていく。
  しかし、乱された意識下でも織川がある意図をもって指や舌を使っているこ
とだけは理解ができた。
「や、やぁ……瀬那っ」
「もっと啼いて、イイ声を聞かせてよ」
「瀬那……っ、だ……って、また……」
「……また、何?」
 濡れた舌先が何度も花芯を舐め上げ、快感を膨らませていく。
  ゆっくりとした指の抽送もまた、じわじわと優月に覚えたての悦楽を再び知
らせようとしていて、彼女の身体が期待と緊張で硬くなった。
「あっ……あ、瀬那……ぁ」
 
  甘美な時間の幕引きはやがてすぐに訪れた。
  織川の舌や唇や指で高められた優月の身体はバスルームのときと同じように
あっけなく快楽の大波に飲まれていった。

  
  

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ドSな上司×わんこOL



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