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rit.2〜りたるだんど〜 STAGE.20


「俺だけを望んで」
キスの後に耳元で囁くようにして零司さんが言う。
「私は本当に、零司さんが居てくれればそれ以上望む事なんてないんです。た
だ、零司さんが――――」
涙が勝手に溢れてきて、私はそれを慌てて拭った。
「なんで泣くの?」
「ご、ごめんなさい」
「謝らなくていいけど、理由はちゃんと言って」
涙を拭っていた手を彼に掴まれて、拭えなくなった涙が頬を伝った。
「どうして泣く?」
「零司さんが……居なくなったら、私」
考えただけでも息が出来なくなりそうに苦しくなった。

自分で拭えなくなった涙を、零司さんの舌が舐め取る。

「ひ、ぁ……き、汚いです、よ」
「おまえの涙は汚いものじゃない、それにコレは俺を想っての涙だろ? だっ
たら俺が拭う責任がある」
切なくて痛くて、心の中が震え涙がいっそう溢れた。
「零司さん、好き……」
「……ん」
彼は握っていた私の指に舌を這わせた。
「ぅっ……んっ」
「好きだよ、愛してる花澄」
指に舌を這わせたり、唇で愛撫したりしてくる。
くすぐったいような感触に身体の中がじんと痺れる。
指を口腔内に含まれて舐められるそれは、今までされた事のないもので不思議
な感覚と快感を私に教えてきた。
「ん……ぁ、く、すぐった……い」
「気持ち良くない?」
お湯に浸かっているのに肌が粟立っている。
「……気持ち悪いなら……ん……やめる、けど?」
なおも私の指を舐めながら零司さんは言った。
「……気持ち悪くなんて……ない……です」
「じゃあ、イイ?」
指の付け根をちろりと舐められて、身体がぞくぞくっとしてしまった。
下腹部が触れられてもいないのに痺れる感じがした。
「こんなところも感じちゃうんだ? 可愛いね」
「……ぅ、う……零司、さ……ん」
感じるという感覚も確かにあるけれど、それと同じぐらい焦れる感覚も生まれ
た。
身体と心がざわざわして苦しい。
「イイ顔して……堪らない。ね? 挿れて良い? 我慢させるとひどい事する
かも」
「い、れて……下さい」
「ああ」
ぱしゃんとお湯が跳ねる。
腰が浮かされ、開いた足の中央に彼の塊があてがわれた。
もうそれだけで、身体がぶるっと震えてしまう。
「ひくってして、やらしいね」
「だって……硬いのが、あたるから」
「硬いものであれば、なんでもこんな風にひくつかせるのか?」
「ちが……」
「じゃあ、何?」
「零司さんのだと……思うから、あっ」
つぷ、と少しずつ、彼の身体が私の中に入ってくる。
「ん……だめ……大きい……」
内壁と彼が擦れるのがはっきりと判るから、身体が甘い快感にぞくぞくっと震
えてしまう。
「誰のと比べて大きいって言ってるの? 元カレ?」
零司さんは笑いながら私の足首を掴んで持ち上げた。
「あっ……ん……ごめん、なさい……」
身体が彼のでいっぱいになっていくのが判る。
「比べたつもりは……ない、んです」
「体感的に大きいなぁって?」
「ん……は、い……凄く、内部を侵食されていってる、感じがして……」
「痛い?」
私は首を振る。
「痛くはない……です」
「そう、じゃあ、感じる?」
そう言い終わると、零司さんは私の爪先をちろりと舐めた。
「んっ! あっ……やっ」
「どうなんだ?」
少しずつ腰を沈め、まだ全部入りきらないうちに彼は身体の動きを止め、足の
指を丹念に舐め始めた。
生暖かくて柔らかい彼の舌や口腔内の感触は堪らなく良いものだった。
「普段くすぐったく感じる場所って、やっぱり性感帯だったりするのかな」
つつっと唇が足の指を撫でていく。
「れ、零司さん、それ……駄目」
「駄目? おまえの駄目は気持ち良いの裏返しだろ?」
小さく笑って、彼は親指をちゅるっと吸い取る。
唇よりも更に柔らかい口腔内と指が擦れる感触にぞくぞくとしてしまう。
「や、はっ……ぁ」
「もっと、舐められたい? こことか」
指の間に舌が入り込んでそれが上下や左右にうねる。
彼に舐められるたびに、身体がひくりと跳ねてしまう。
そしてその衝動で中途半端に埋め込まれた零司さんの塊と擦れてしまうから気
がおかしくなりそうになった。
奥が熱く、火がついたようになっているのが判る。
「い、れて……零司さんの、挿れて下さい」
「入っているよ」
「もっと、奥まで……欲しいんです」
彼は私の足の指を舐めながらも、じっとこちらを見詰めている。
零司さんの視線に晒されているのかと思うとそれもまた身体が焦れる感じがし
た。
「ああ……っ、もう……我慢、できな……」
浮かされた腰を自ら彼の身体に押し付ける。
ずるりと入り込んだ零司さんの塊が、焦れて燻っていた場所に当たり思わず小
さな悲鳴が出てしまった。
「い……ぁあ……」
「もっと腰、振って」
命令されたからなのか、自分の意思なのか判らない。
だけど、片足を持たれて不自由な格好であるのにも関わらず、私はゆっくりと
腰を揺らした。
「いい眺めだな」
足の指を含んだり出したりしながら、彼はその合間合間に私を刺激するような
言葉を発してくる。
その度に自分の内部が悦ぶようにして蠢いているのが判って羞恥心を煽った。
「……花澄、凄いイイ。気持ちいいよ……」
ぐいっと腰を持たれて深く挿入される。
「やぁんっ……」
「なんで? おまえの中ってなんでこんなにいいの……」
「あっ、あ……れい、じさんっ」
「中で擦れるとゾクゾクする……銜えこまれて締め付けられると……おかしく
なりそう」
乱れた彼の吐息が耳にかかり、そのまま耳朶を噛まれる。
「んっ!!」
「……あぁ、いい……花澄……もっと俺を気持ちよくさせて」
「んぅ……、は、はい……」
気が遠くなりそうな快楽の海の中に漂わされている自分の身体。
乱れた意識、それでもコントロールしようとした。
下半身に力を入れると、いっそう艶っぽい吐息を彼が漏らす。
「ああ……それ、いいね……」
「ふっ……ぅう……」
艶めいた彼の声や眼差しで溶かされそう。
繋がっている部分も意識もなにもかも。
「可愛い顔して、中はこんなんだなんて、どれだけ俺を、狂わせる気なの」
彼が小さく笑った。
「ん……っ、中……動いてる、それ、わざとやってるの?」
「ちが……」
「……ふっ、花澄……」
彼が腰を揺らすと、パシャパシャと浴槽のお湯が跳ねた。
お湯の音でかき消されているけれど繋がっている部分から僅かに聞こえてくる
水音は相変わらずいやらしい気持ちにさせられる。
「れ、じ……さん、キス……して……欲しい……の」
「ん……」
彼の形の良い唇が私の唇の上に重なる。
暫く唇同士を擦り合わせたあと、互いの舌を絡ませた。
零される唾液は嚥下し、何故かその行為にも私はひどく興奮させられた。
「……おまえは上の口も下の口もやらしいね」
唇をぺろりと彼に舐められて背筋が震えた。
「そういうのも、全部気に入ってる……愛しくて堪らなくなる」
「……零司さ……ん……ぅっんん!!」
体内のより深い場所を探るようにして彼が自身の塊を差し込んできた。
自分の最も感じる場所を満遍なく彼のその部分で弄られて身体が、がくがくと
震える。
「ん、はっ……ぁ、ああ……っ」
「……花澄、ああ……本当におまえは可愛いな……その身体も、心も全部俺だ
けのもの?」
「は、はい……私は、零司さんだけの、もの……ですっ」
「その言葉に、偽りはない?」
「……な、い……です」
十分な太さと長さを持ち合わせた彼の身体の一部分が内部を翻弄していく。
限界が近い事を感じると、私の身体が緊張するようにひきつる。
余す事無く、この快感を貪りたい。
貪欲な心がそう叫んでいるような気がした。
「はぁっ……ン……れ、じ……さん」
「……花澄……一生、離さない……逃さないから」
「……っ、ん……あ、は、い……離さない……で」
打ち込まれる楔の熱。
気が触れるほどの温度だと思えた。
怖いくらいに狂わされる。
その大きな快感に。

「零司、さん……っ、あ……あぁ……」
「……っ」
「ん、んっぅ……あ……やっ、ぁあ!」
湧き上がる快感は望んだものだったのに、その大きさに恐怖する。
怖気づいて引きかけた腰を零司さんに掴まれ、深い場所を弄られ誘導された。
「いや、いやっ……も、ぅ……」
「望んでいるものだろ? ほら、もっと……」
「……ぁ、あっ」
「ちゃんとイって、ほら……イけよ、俺のが気持ち良いって言って泣け」
「ぅうン……っ、あっ、ああ」
最後の最後は理性が焼き切れる。
もう自分が何者か判らないぐらい乱れて、泣いて、彼を求めて卑猥な言葉を叫
び、そして達した。
「ん、良い子だ……ちゃんというとおりに出来て」
乱れた声でそう言った彼もまた、達した事を表す白濁色の体液を吐き出した。





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