「さ、さっきはもう、小さくなって……」 「気のせいだろ」 くくっと彼は笑い、私の服を剥ぎ取るようにして脱がせ床に投げた。 「準備は、出来てる?」 下着越しに彼は指を窪みの中に押し込んでくる。 「ぁっ……」 「……濡れてるってどころの話じゃなさそうだけど、こんな風になってるのに 終わらせようとするなんて案外おまえは我慢強いんだな」 「だ、だって小さくなってたし」 「気のせいだって言ってる」 彼は薄く笑って、私の脚から下着を抜き取って洋服と同じように床に投げ捨て た。 「どこを見て、小さくなってるって言ってるの?」 ジーンズからは、高く上を向いて屹立している男性器が剥き出しになっている。 「で、でも、さっきは」 「うるせぇな、欲しくないわけ?」 屹立したその部分を窪みに押し付けてきながら彼は言った。 「こんなに、濡らしておいて……つらいだろ?」 まるで誘惑するように零司さんは耳元で甘く囁く。 「……おまえの身体は、欲しがっているもんな……」 ふたつに割られた谷間に彼の身体が進入してくる。 ぴったりとくっついていたその部分を分け入るように体内で動く挿入物に、私 の内側は喜びの悲鳴をあげるようにして私に快感を教えてきた。 「あ……ぁあ」 「口もイイけど……こっちはもっと、いい……」 ぐぐっと身体を奥まで挿しこまれる。 興奮で蕩けきった内部は、どんな刺激にも敏感だった。 「や……あつ……い」 「俺の身体が? それとも、ナカ?」 「両方……で、す」 「……イイ事してくれたんだ、ちゃんとご褒美はあげておかないとね」 そう言って彼は腰を揺らした。 「ひっ……ゃ、あ……ン」 「もっと、いい声で啼いて、それを俺に聞かせてよ」 焦がれるほど私が発情した零司さんの身体に抱かれて、それこそ意識が飛んで しまいそうだった。 触れたい身体が目の前にあって、熔けるように身体を繋ぎ合わせている刹那。 苦しいけれど愛しいこの蜜のような時間に、私はいつも狂わされる。 「あああっ……なか、がっ」 「ん?」 「気持ち、よくて……狂っちゃう」 「……俺もだよ、花澄。だから、もっと感じて? おまえが感じれば感じるほ ど俺もいい」 「んく……ふっ」 際限がない。 本当に、いつだってもうこれ以上の快感はありはしないだろうと思うのに、繰 り返される極上と呼べるほどの快感に狂わされる。 「ああン……も、零司さん……ッ、どうして……こ、んな」 目じりに滲む涙を彼が舌先で掬う。 「はっ……気持ち、良くて……」 身体がぞくぞくと震えた。 甘い快楽を貪る事しか考えられなくなっていく。 ぴったりと重ね合わせた身体を揺らし、一番弱い部分を彼に突かせるようにし て腰を振る。 「もっと、欲しいだろ?」 「欲しい……欲しいの……零司さんっ」 「やらしい声」 くすっと彼は笑いながらも身体を揺らし続ける。 抜き挿しをしたり、内部を掻き混ぜたりする腰の動きは絶妙に私を狂わせてい く。 背中が鋭い快感にぴりぴりと甘く痛む。 背骨が軋み、楔を打たれる悦びに震えているような気がした。 「ぁ、あっ……はっ……ぅ」 「ん……気持ち良い……良すぎて、頭、おかしくなりそ……」 私の耳朶に噛み付きながら彼が言う。 「ずっと抱いていたい……もう、なんか……他の事、どうでも良くなる」 くくっと小さな笑い声が耳をくすぐった。 「零司……さん……」 「おまえの、声も、肌の感触も、中の熱さも……全部、良すぎなんだよ」 「んっ……ぅんっ!」 奥まで身体を挿し込まれ、大きく退き、また挿し込まれる。その度にくちゅっ と淫靡な水音が立った。 快感の波が一段と大きくなる。 「ああっ……零司さん、もっと、奥で」 「奥を擦って欲しいのか?」 「くぅ……ン!!」 彼は私の弱いところを的確に探り当て、欲しいところへ快感を与え続ける。 「ああ、そこ……いい、です」 「じゃあもっと感じて、もっと淫らになって」 「んんっ……ぁ、零司さん……あ、あぁっ」 強く彼の身体を抱き締めると、彼も同じように私の身体を抱き締めた。 上半身はぴったりと静かに付け合せているのに、下半身は獣のように揺れ動く。 しっかりと繋ぎ合わせたいと思うのに、じっとしている事が出来ない。 「……んっ……く、ぅン」 「花澄」 彼の動きに逆らうように、或いは合わせるようにして腰を振る。 そんな淫らな動きを蔑むようにソファが軋む音を立てた。 「あぁぁ……ッ」 存分に与えられる快感に強い眩暈を感じた。 「も、もう……ああっ!」 零司さんの身体に自分を押し付けるようにして最後は快楽を貪った。 「は、はぁ……はっ」 「おまえは、本当、可愛いね」 そう言って乱れきった私の身体を彼は強く抱き締めた。
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rit.〜りたるだんど〜の零司視点の物語