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rit.2〜りたるだんど〜 STAGE.35


「俺に動くなって言うならさ、おまえだってナカを動かすなよって思うんだけ
ど」
ひととき見つめあったあと、零司さんはそう言って笑った。
「なんだかんだ言って、動いて欲しいんじゃねぇの?」
「そ、そんな事ないです」
「ふぅん」
短いキス。
唇を離してすぐまた唇をつけてくる。
彼はまるで悪戯でもするように舌先で私の唇をくすぐってきた。
「ん……」
「また、ナカを動かす」
くくっと零司さんは笑う。
「……どんな刺激にも、敏感になっているだけです」
「キスでも感じてるって意味?」
「か、感じてる……とか……そういうのでは」
「いいんじゃねぇの? 存分に快感を貪れば」
「身体が辛いんですってば」
「そうかな? ナカはそんな風に思ってないんじゃないの?」
そう言うと、零司さんは身体をより深く押し付けてきた。
もっとも感じてしまう部分に固体を当てられ、じわりと汗が浮いた。
「ん、ぅ」
「黙ってこうしていても、おまえが動いているから気持ちは良いんだけど、そ
ういう感覚がある分、やっぱり焦らされてるような感じになるよな」
私の腰を掴み、彼はゆるゆると身体をひいた。
「れ、零司……さ」
「ゆっくりなら、動いてもいい?」
ひいた分、押し込まれて小さな快感が身体のなかでわき上がる。
「ん……やっ」
「さっきのとか、あんなのイったうちには入らないだろ、一瞬過ぎて」
くくっと彼は笑い、それでも動かず私の最深部で留まる。
半端に知らされた快感に奥が焦れるように熱い感じがして、身体がぶるっと震
えた。
「欲しいんだろ? 溶けるような快感が」
内部が固体によっての圧迫をより強く感じた。
「俺が与えてやるって言ってるんだよ」
彼の声は甘く、その言葉に誘惑される。
「……零司さん」
「全部預けちまえよ、俺に。身体も、その感覚も」
耳朶を舐められ、軽く歯を立てられる。
そんな小さな刺激でさえも内部は敏感で、思わず彼の身体を強く抱いてしまっ
た。
「楽しませてあげる、俺の身体で」
私が何も返答しないうちに、彼は抽送を再開した。
求めずにはいられない焦がれるような快感が身体を貫き、声が上がる。
それは悲鳴なのか歓喜の声なのか自分でも判らない。
「い、ぁ……」
途端に大きな波の中に身体が放り込まれるような錯覚を感じる。
保つ事の出来ない理性に、彼が笑ったような気がした。

緩やかに腰を使い、彼は私の内部を責めてくる。

私が大きな反応を見せると、それに合わせるようにして動き方を変えてくる。
――――結局夢中にさせられてしまう。

「はげ……しい、の……駄目……」
「すぐイクから? たっぷり楽しみたいって?」

それは、半分以上はそうかもしれなかった。
どんな風に身体が辛いと感じていても、甘く溶けるような快感は欲しいと思っ
てしまう。
爪先まで痺れてしまうような、切なくて甘いそれに溺れてしまいたいと願う心
が芽生える。

彼に愛されていると強く実感が出来るから、こんなにも良いと思ってしまうの
か、純粋に身体の相性がいいのかは判らない。

ずっしりと身体は重たい感じがするのに感覚だけは鋭敏で、徐々に疼きも強く
なっていく。もっと欲しいというように。


「ん……はっ」
この人に抱かれると、感情が溢れて止まらなくなる。
堰き止めておけなくなる。
溢れる感情を面白がるように、そして満足するように彼が見ているから余計そ
うなってしまうのかもしれなかった。
「離れたく……ないです」
私の言葉をどう受け取ったのか、零司さんは静かに笑い、頬に唇を寄せてくる。
「大丈夫、離さないから」
甘い声色と言葉で彼は私を酔わせてくれる。
「俺がおまえを手放すと思っているの? こんなに感情露わに愛しているのに」
くくっと零司さんは笑った。
「それともやっぱり……足りないのかな」
「っ……ん!」
私の深い場所を探るようにして彼が腰を使った。
「なんだかんだと口では言っても、おまえの身体は貪欲だし?」
揺らされて、当てられている場所が擦れて熱を帯びる。
彼が言うように、私はいつだってそうだ。貪欲に求めて全てを奪いたいと思う
程に熱くなってしまう。
「……零司さん、もっと……愛して……」
「気持ち良いぐらい欲張りだな」
彼は笑って、私の目から溢れる涙を拭った。

決して大人しくない感情。
“燃え上がるような”と称されるそれはまさに今私の心にあるものがそうだと
思えた。
「でも、おまえはもっと欲しろよ、それぐらいで俺の想いと丁度良い」
「っ! あっ……」

彼の唇で軽く胸の先端を吸い上げられただけで、私は軽く達してしまった。





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rit.〜りたるだんど〜の零司視点の物語

 

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