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rit.2〜りたるだんど〜 STAGE.37


「……っ」
眩むような甘い感覚に息が詰まる。
私が反応を見せると零司さんは笑った。
「感じていいよ?」
「……れ、いじ……さん」
自分の身体に出し入れされている固体の硬さや熱に思わず震える。
「もっと乱れて、そんなおまえが見たい」
誘う声と促すような動き。
混ざり合う場所からは淫靡な水音が聞こえてきていた。
乱される意識に唇からは嬌声が上がる。
「ん……凄く、イイ」
身体を揺らしながら、彼が甘く息を漏らす。
私は快感に酔わされ彼に言われる通りに乱れていく。
零司さんの身体の下で、彼に合わせるようにして腰を揺らす。
どれだけ与えられても足りないと思ってしまう程の快楽に踊らされた。
「……ん……ぅっ……」
耳朶を甘噛みされ、そこから首筋に舌が這わされる。
柔らかくて生暖かいその感触はより官能を刺激し、体内の快感を強くさせた。
「あっ……も、っと……」
「もっと、なに?」
乱れたような彼の声。
そんな彼の声がひどく愛しいと思ってしまう。
独り占めしたい。
彼を、そして彼の声さえも独占し続けたい。
「激しくして欲しいのか? それとも奥を突かれたいの?」
「激しく……」
「やらしい顔しておねだりするんだな」
くくっと零司さんは笑ってから、その律動を激しいものに変えた。
貫かれる感覚は溢れるような快感を呼び覚ます。
そして私は際限なくそれを求めた。
「そんなに俺のが好き?」
「好き、です」
彼の身体は私が欲しいと思うもの全てを与えてくれる。
零司さんの裸の胸が私の胸に合わさる感覚にさえ、身体が震える。
自分の身体と彼の身体はどこにも似ている部分がない。だからこそ欲する気持
ちも大きくなってしまうのだろうか?
触れたい、触れられたいと思うそんな気持ち。
美しい彼の均整のとれた身体つきは私を酔わせ、刺激する。
凶暴にも思える屹立した部分は最たるもの。
ある程度の柔らかさを持ちながらも硬い固体が私の内壁を刺激した。
貫かれる感覚が堪らなく良いと声に出して言ってしまうぐらい、彼の男性を象
徴した部分は快感を与えてきてくれていた。
「うん……俺も……凄くイイよ。花澄のなかは凄くイイ」
耳元で彼はそんな風に私に囁きかけながらも、身体を揺らし続ける。
大概身体はおかしくなってしまっているのに“もっともっと”と求めるように
更におかしくなってしまう。
「零司さんに、支配されたい……私を、あなたのものにして欲しい」
「……っ」
私を抱き締めていた身体を起こし、彼は私の両手を片手で掴んだ。
その手を押さえつけるようにして握ってくる。
「してやるよ、おまえは永遠に俺のものだからな」
心も身体も彼に全て捧げても足りないと思う感情。
そんなものが私の心を支配していた。
頭上で拘束されている両手に興奮する。
押さえつけられている感覚が、束縛に似ているからだろうか?

零司さんにだったら、束縛されても構わない。

そう思うから余計昂ぶってしまう。
「安心しろ、ずっと好きでいてやるから」
「……零司さん……」
「おまえ以外を愛せるだなんて、到底思えねぇからな」
切れ長の美しい双眸が私を見つめる。
彼の言葉が真実で、本当にこの先ずっとそうであればどんなに私は幸せだろう。
「……今度は、俺もイかせてもらうからな?」
零司さんは悪戯っぽく笑って言った。
「は、い」

少しだけ乱れたような甘い息遣いを彼がすると、それだけで全身がざわついた。
快楽の度合いは違うのかもしれなかったけれど、同じような感覚を共有しあえ
ている事が嬉しくて、そして興奮もした。
「……あぁ……花澄」
内壁全部を知りたがるように彼が腰を使う。
身体の中を固体で掻き混ぜられるような感覚、次の瞬間には突き上げられ擦ら
れる。
「あ、やっ……あぁっ」
「……本当、おまえが感じる具合が強くなると、こっちも良くなるな」
息を吐いてから私の手を解いて、ぎゅっと強く抱き締めてくる。
「……零司さんに、包まれてる」
「それは、こっちの台詞でもあるな」
キスをして、絡まる舌の温度に溶かされていく。
下腹部が彼を強く締め付けている感じが自分でも判った。
快感が強くなっていき、溢れそうになる。
「ああっ……零司さんっ」
「……い、きそ……」
耳元で小さく囁かれ、その声に身体が激しく反応した。
「零司さん……き、て」
「いいのか?」
「私も……もう」

夢見る時間は長くなく、終わりを告げようとしていた。
激しく揺らされ、打ち込まれる。
水音さえも嬌声にかき消されるほど、私は興奮し高まっていった。
「あ、ああ――――っ」
「……っ、はっ」

深く突き上げられた瞬間、強い快感が身体の中で弾けるような気がした。



「花澄……」
彼の肩に触れると、零司さんがぶるっと身体を震わせた。
「ああ、すっげぇ良かった」
深い溜息の後、彼は妖艶に微笑む。
「……好きだ。本当、惚れて惚れて仕方ない」
「それは、私もですよ」
「具体的には?」
「え? あ、愛してます、とても」
「うん」

蜜より甘い時間を私に教えてくれる唯一人のひと。
繋ぎあった身体を解いた後も、暫くの間じゃれるようにして互いの身体に触れ
続けた。


そんな時間も至極のときだった――――。



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rit.〜りたるだんど〜の零司視点の物語

 

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