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rit. 〜りたるだんど3〜 STAGE.5



――――結局。

さきほど居た場所から一番近いラブホテルに入った。
なんていうかもう……いつもそうなんだけどなんでこんなに我慢出来ないの? 
と思ってしまう。
家に帰るのだって30分もあれば帰れるだろうに。


「……お、願いです……もう……挿れて下さい」
ベッドに沈められてすぐに私はそう懇願した。
「もう?」
零司さんは面白いものを見るようにして私を見下ろしている。
「俺の奥さんになる人は、堪え性がなくて困るね」
「早く……」
「ちょっと待ちな、服も脱ぐ気ないの?」
くくっと彼は笑いながらジャケットを脱ぐ。
零司さんが服を脱いでいくのと同じようにして私も自分の衣服を脱ぎ捨てた。
「……どうされたい? 乗ってくる?」
彼の言葉に私は頷き、座った状態の零司さんに跨った。
「いいよ……そのまま、腰を落として」
身体の中心には彼のものが当たっているからその屹立した部分を入口に誘い私
はゆっくりと腰を沈める。
彼が私の中を分け入ってくる感触がはっきりと判った。
「ん、ぅ……」
ぶるっと身体が震え、背筋には甘い感覚が鈍痛のようにして走っていく。
欲しいと思っていたものが私の中でその存在を主張しているように思えた。
焦がれるほどの熱と、切なくなるほどの硬さ。
何もかもが私を狂わせ、溺れさせる。
繋がっていると実感してしまえば尚更乱されていく。
近い場所で聞こえる零司さんの吐息。
思わず安堵の溜息が漏れた。
「はぁ……」
「どう? 少しは落ち着いたか」
零司さんは私を抱き締めながら言う。
「……は、い」
身体への支配は心地良く、これから襲ってくるであろう快感の波を思うと胸が
期待に震える。
「じゃあ、キスをして?」
瞳をそっと閉じる零司さんの唇に、私は自分の唇を重ね合わせた。
ついばむような短いキスを何度か繰り返した後、深いキスに変えていく。
彼の舌が私の舌に触れた時、下腹部がきゅっと切なく痛んだ。
「あ……ふ……」
「花澄」
「……熱い……」
「ああ、そうだな。おまえのなか、熱くてやたら動いてる」
「零司さんの……気持ちいいの……」
「甘えた声出して……可愛いな」
ふっ、と彼は息を漏らすようにして笑い、ゆっくりと下から私を突き上げてき
た。
「あ、あ……」
「たくさん、俺を感じさせてやるよ」
「は、い……して、いっぱい」
「やらしい顔」
零司さんの指が私の唇に触れる。
何かを想像したわけではなかったけれど、なんともなしに口寂しい気がして、
彼の長い指を舌で舐めとり、誘うようにして口腔内に迎え入れた。
「舌の動きもやらしくなってるな」
舐めたり吸ったりを繰り返している様子の私に彼が言う。
「しゃぶらせてから挿れれば良かった」
「んぅ……」
揺らされる腰。
そして自らも揺らし、快楽を貪る。
大きく出し入れをさせると、淫靡な水音が響きそれが行為を助長させていく。
快感に身体が震え、それが止められない。
「あ……ぁ、零司さんっ」
「感じて、もっと……」
見つめてくる彼の瞳が厳しくなる。
私を支配している時の零司さんの瞳は射るように強い意志を持った輝きを見せ
てくる。
その瞳もまた、私を堪らなく欲情させた。

めちゃくちゃにされたい。

何もかも判らなくなってしまうぐらいに。

「……んぅっ」
すっかり慣れてしまった快感の貪り方。
深い場所に彼を誘い込み、大きな快感を得られる場所で互いを擦りあう。
多分、私ひとりがそこに誘い込んでいるわけではないから、容易に良いと思え
る場所に彼が当たるのだと思えた。
「すぐにイってしまうんじゃ、勿体無いよ? 花澄」
何もかもを見透かすように彼が笑う。
だけど、追いかけ始めてしまえば知り尽くすまで止まれない。
「無理……です」
「駄目、我慢して」
「……ぅ、我慢……とか……」
生まれては消えていく快感に身体がぶるりと震える。
「俺だって、我慢しているんだから」
ふっ、と漏らされた彼の吐息。
その息遣いにさえ、官能が刺激される。
「駄目……っ」
「……本当、堪え性のない」
耳元で零司さんの柔らかな声が聞こえた。
掴まれた腰。
激しい律動。
目が眩むような快感に意識が遠くなる。
「イってもいいけど、後が辛くなるだけだと思うけどねぇ……」
そう言いながらも、彼は私を導いていく。
戻れなくなる場所まで。





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rit.〜りたるだんど〜の零司視点の物語

執着する愛のひとつのカタチ。



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