「う……うぅっ……」 突き抜けるような強い快感を教えられ、がくがくと震える私の身体を抱き締め ながら彼が笑った。 「面白いぐらい、感じやすくなってるよね」 「……はっ、ぁ……だって」 「相手が俺だから?」 頷くと零司さんは目を細め、薄く微笑む。 「そう」 「……少しだけ、動くの待って下さい」 「俺には我慢しろって言うの?」 「……だって……」 唇に、彼の唇の感触。 そっと触れて離れていく。 動かずに、じっとされていても内部に感じる彼の存在にじわじわとした快感が 生まれてきてしまうのだけど。 零司さんの指が、私の頬を撫でた。 「おまえは、可愛いな」 「……あ、ありがとう……ございます」 「本当に、ちゃんと、俺の奥さんになってくれるの?」 「なりますよ? なんで……そんな事を言うんですか」 「実感がわかないから」 くすっと彼は笑った。 「ああ……それは、私もです」 「実感はわかないけど、それをおまえが了承していてくれるから幸せではある んだけどね」 「そう言って頂けると私も嬉しいです」 「うん」 頬に小さなキスを落とされる。 もうずっとこの人と一緒にいられるのかと思うと涙が出そうにもなる。 嬉しくて堪らない事で、悲しいとか辛いだとかは思わないのに溢れそうになる 涙は不思議な感じがした。 その不思議な感覚をずっと私に教えてくれていたのも彼だった。 彼がゆっくりと身体を退く。 そしてまた奥まで入ってきてを繰り返される。 抽送の再開に、声が漏れた。 「あっ……ん」 「花澄……」 「……好き、です」 「あぁ、愛しているよ。これから先もずっと変わらないと誓えるほどにな」 甘い言葉の中には僅かな拘束も含まれているような感じもしたけれど、彼にだ ったらどんな風に縛られても構わないと思ってしまう。 彼に与えられる快感に飽きる事無く、内部の疼きが徐々に強まっていく。 「く、ふぅん……」 「もっと、いい声聞かせて……やらしい言葉をその口で言ってみてよ」 ねだるとも命令とも取れる声色で零司さんが言う。 繋がってる部分がどう感じているだとか、彼の固体がどうであるとかを言葉に して言うと、毎回の事ながら私の方も高まってしまう。 イったばかりの身体だったから、余計その感覚は鋭敏だった。 「零司……さ、ん」 「おまえは、俺に、深い興味を持てる?」 「……興味のあるなしだったら……私は、最初に出逢ったときから、興味を抱 いていましたよ?」 「……やらしいな」 「そ、そういう意味じゃ、あっ……ン」 出し入れされる事で立つ水音が部屋に響いて淫靡さをより演出する。 感じすぎて辛いと思うのに、やっぱり腰は動いてしまう。 「零司さんっ」 「イイんだ?」 「……凄く、良すぎて……」 「俺も、凄くイイよ」 耳元で囁かれる、彼の上擦ったような声に官能が刺激される。 身体や、彼そのものでも十分感じさせられるけれども、零司さんの声や息遣い も私を高めさせる大きな要因になっていた。 漏らされる甘い声、乱れた吐息、その全てが私を刺激する。 「……俺も、おまえには興味が持てる。そしてそれは際限ない」 「……零司さん……」 「愛してるよ、花澄……こんなに俺を夢中にさせる事が出来るのはおまえだけ だ」 「んっ……うっ」 ひくりと内部が大きく動いたのが自分でも判った。 その動きに、彼が小さく息を漏らす。 「ああ、もう……駄目っぽい」 ずるりと一度彼は私からそれを引き出して、体液で濡れたそれを見せつけるよ うにしながらコンドームを装着させた。 「遠慮なくさせて貰うけど、いい?」 私は彼のその言葉に頷く。 再び体内に戻ってきた固体は、本当に容赦なく私の内部を掻き乱した。 「……ん、っ……はぁ……花澄……」 「もっと……欲し……い」 「やるよ……だから、感じて」 耳朶を甘噛みされ、舐められる感触も、震えるぐらい良かった。 少し乱暴に掴まれている胸だって、小さな痛みすら今の私にはエッセンスにし か成り得なかった。 欲しい気持ちが高まって、そしてまた頂点まで浮かされていく身体。 擦り切れるほど内部を擦って欲しいと思ってしまう。 「……ん!!」 つんとした痛みにも似た快感が身体を突き抜けていくと思うのと同時に零司さ んも身体を深いところまで落としてきた。 限界まで深く繋がり合った身体はお互いに震えているような気がした。
>>>>>>cm:
rit.〜りたるだんど〜の零司視点の物語 |
執着する愛のひとつのカタチ。 |